掃除を忘れている。

確か天気予報では年越し寒波とか言ってたはず?大晦日の積雪はすっかり道の端や、空き地の隅に追いやられている。本を読んでいると窓から青い空が見えていた。
この部屋に越してきて初めての年越し、密かに期待してたことがある。それは除夜の鐘。今まで何度か引越しをしてきたが、除夜の鐘を聴いたことが無い。テレビから流れるのを聴くしかないと思っていた。それで今回はどうかな?とつけていたテレビのボリュームを絞り、窓を開けてみた。耳を澄ませても聞こえるのは、道路に積もったシャーベット状の雪を掻き回す車の音しか聞こえない。せめて雪が降っていれば年の瀬情緒が楽しめたのに、殆んど雨に近い雪だ。部屋の空気が、冷えた空気に侵略される前に窓を閉めた。
テレビは相変わらず、いつもと変わらない。いつものお笑いタレントがいつもの顔で喋っている。池上彰の学べるニュースの中では、味気ないくらいに新年のカウントダウンが終わってしまった。いや、正しくはやっていない(^_^;)画面の右隅に遠慮がちにカウントダウンが始まって、出演者がガヤを飛ばして、再びニュースが始まった。こんなひとりの年越しもたまにはいい…。いや、いつもだ。ひとりに慣れすぎた(^_^;)いつかは特別な年越しを迎えたいものだと思ってはいるものの・・・。
久しぶりに学生時代の友達を思い出した。彼は大晦日にコタツに入りながらこう告げた「NHKに行って来ます。お正月の青年の主張に出るから見てて」と、帰省で静まり返った学生寮の自分の部屋でコタツに入りながらテレビの中の彼を見た。なんだか、いつもより凛々しく見え、たどたどしい日本語は流暢に聞こえる。そして翌日にはテレビの中の彼がコタツの向こうに居た、いつもの彼だ。どちらともなく初詣に行こうということになり、他に誰か居ないかあっちこちの部屋の呼び鈴を押すが中から返事が返ってくることは無く、静かな廊下に二人の足音だけが響いていた。元気にしてるかなぁ〜。
西の魔女が死んだ』完読です。いいお話だけど気になることが一つ、別にあら捜しをしている訳ではないけれど文庫本では94ページに、

ずっとずっと後になって、まいは、おばあちゃんが、法律的にも本当にその土地をまいのものにしてくれていたことを知った。そして結局はそのことが、おばあちゃんの山全体を開発の波から救うことになったのだった。
後から何かひと悶着あるのかと心配してたら、無事に何もありませんでした。