昆虫と爬虫類と私

ちょっと昔話その14。あ〜ぁ、ラストが上手くまとまらない(^_^;)
り支度をしてキャンプ場の駐車場に戻ると、出入口はチェーンで閉じられていた。
キャンプ場の管理者には利用時間も焚き火の許可もとってあるのに(涙)ネタばらし君がチェーンを斬ると言って車を探りバールを手にして鍵をいじり始めた。暫らくして暗闇の中からさっきのチンピラ風の人がやって来た「なにしてんねん!」しかも今度はトカゲのしっぽからトカゲが生えた様なちびチンピラも付いてきた。
怖いと言うより、違った意味で怖かった。ネタばらし君は海に飛び込めずにずっと不完全燃焼で、片手にバール。名無し君は金属バットでアスファルトに穴を開けるぐらい何度も突き刺している。金属バットと左手に持ったギターケースがまるでローマのコロシアムに向かう剣闘士の剣と盾のようだ。(なんて書きすぎだ)怖いもの知らずの最強酔っぱらいのふたりには、きっと自制心のかけらもない…。
ちいさなトカゲが言った「鍵を開けに来たんや」、おおきなトカゲが「鍵かけとかんと、他の車が止めよるからなぁ」と続ける。なんだこのトカゲ兄弟(?)はキャンプ場の人?紛らわしいなぁ、どう見ても爬虫類…、じゃないチンピラにしか見えないぞ。瞬く間に緊張の糸がとけて、みんなに安堵の顔が戻った…。
一方人見知りで虚弱体質の他力はというと、小さく震えて(たぶん)いたが私の前で守っていてくれた(という事にしとこう)両手にいっぱいのゴミ袋を携えて…。
そして「だいじょうぶ?」と声をかけてくれた。それから私にしか聞こえないちっちゃな声で「実はちょっと、こわかった…」とつぶやくと、彼の心臓の鼓動が伝わって同じリズムを刻み始めた。「私も…、」と返事を返しそっと手を伸ばして、ゴミ袋をひとつ受け取った…。
追伸、他力君はどちらかと言うとカマキリに似ている(笑)
おわり