ワル乗りで書いた日記

生まれなかったこどもはぴょん吉という。私が名づけた。
とは『角田光代/空をゆく飛行機』の書き出しで、そう言えば生まれてすぐ死んでしまった兄がいた事を思い出した。もちろん会った事も無いし、顔も知らない。名前は聞いた事はあるが覚えていない、シャツに張り付いたカエルみたいな名前じゃなくて普通の名前。
「おにいちゃん」「にいに〜」「あにき」と声に出さずに呼びかけてみるが返事はない(当たり前だ)兄が居る“今”が全然イメージできない。だけど、兄が居るとまたちょっと違う自分になっていたのかな?と思う。強くて、愉快で、頼りになるお兄ちゃん。落ち込んだ時には励ましてくれる優しいお兄ちゃん…。
「ほら、お兄ちゃんを見習いなさい」か「勉強しないとお兄ちゃんみたいになるわよ」のどちらだろう(笑)


実家に帰っておかんの笑った顔を久しぶりに見た。そうだよ、これがいつもニコニコと笑顔だったおかんの顔だ!!すっかり忘れてて思い出すこともなかったよ。親不孝のこどもの所へ化けて出てくる事も、夢の中にも出てきやしない。
「おかんの嫌いなおとんは、まだまだそちらには行きませんので安心してのんびりして下さい」と仏壇の上に飾ってある写真に報告しました、とさ(^_^;)


都会ではどこか遠くで聞こえるせみの声がココでは真上と言うより、四方八方から降ってくるように聞こえてくる。岩(墓も)に染み入る夏の声とはうまく詠んだもんだなぁ。(うろ覚え)道路のアスファルトにも呪縛のように染み込んでるよ。
実家の後は墓参り。お布施に一万円包んだら、むこ住職、むすめ、おおばばの三人がそれはそれは丁寧な見送り・・・。こんな時はどんな挨拶をすれば大人なんだろう?決まり文句な挨拶があるんだろうけど、オトナになる前の、周りのオトナは誰も教えてくれなかった。(覚えてないだけかもね)「ど〜も」とか言いながらお寺を後にした(爆)先に誰かが墓参りに来たようで生花と線香の燃えさし、お布施の二重払いになってないだろうか?それがちょっと心配、去年来ていないから奮発したのにさぁ〜。


実家までは軽自動車では辛くて長い道のりだった。クーラーを付けるとパワーが落ちて坂道を登れないし、おまけにあっちこっちでお盆渋滞。お気に入りの場所や、海にも寄りたかったのに時間が無く残念でした。涼しくなったらまた来よう(^.^)b